trainrioの世界

鉄道ファンの私、trainrioが、独自の鉄道趣味の世界を書いてゆきます。

番外編 38年振りの釧路②

38年振りに釧路駅の改札を抜けて駅前に立つと、先代の札幌駅や帯広駅、旭川駅と同じ横長角型ビルの「民衆駅」の釧路駅舎が当時と変わらぬ偉容をたたえていました。札幌も帯広も旭川も今では高架駅になりかつての「民衆駅」の面影は今いずこですが、釧路だけは地下のステーションデパートが閉店し構内のキオスクがセブンイレブンになり駅左端の荷物扱所も観光案内所か何かに変わったとはいえ
「これぞ民衆駅なり!」
と市民や観光客にアピールしているかのようでした。

昼時なので朝食もそこそこに取っていた私は本格的な腹ごしらえにと、かねてから情報を得ていた駅前の名所の一つ「和商市場」に真っ先に向かいました。
和商市場は釧路時代に家族とよく行き、夕食の材料の魚等をよく買いましたし、首都圏に移った84年に家族で車で訪れたときも寄りましたが、今回自分の足で初めて訪れた目的は「勝手丼」堪能でした。
私の釧路時代にはありませんでしたが、東京の大学生活を謳歌して他の旅行先にかまけ北海道には見向きもしなかった90年ごろ、当時東京と釧路を結ぶフェリーで主に夏にバイクでのツーリングで釧路湿原や知床を訪れる若いライダーがいました。しかしその多くはバブル時代にあって貧乏だったようで、和商市場に入っても魚等の品物を見るくらいで手を出そうにも出せないのを見て、市場の魚屋の親方衆がその懐具合を察し、彼らに市場内の総菜屋さんで丼飯だけを買って来させ、魚の刺身を一切れ単位で安く丼飯の上に乗せて最後に醤油をかけてライダーたちに提供したのが「勝手丼」の始まりだそうです。
私もそれにのっとり、まず総菜屋さんで丼飯を買い、各魚屋さんを回ってサーモンやトロ、鯖や鰯等の好物の脂の乗った魚の切り身を買って乗せてもらい、最後に醤油をかけわさびを添えてもらって、市場内のイートイン(といっても今風のショッピングセンターにあるような整ったものでなく茶色の折り畳みテーブルにパイプ椅子での仮設同然)でワクワクしながら噂通りの味を堪能しました。本当なら鯨も乗せたかったけど時期が時期だけに置いてありませんでしたが、それでもトロやサーモンや鯖に鰯の脂の旨味が醤油の風味と塩気とよく合い、それがご飯と絡み合って、月に1、2回行く回転寿司では味わえない、まさに釧路和商市場ならではの味でした。同じ勝手丼のサービスを仮に上野のアメ横や築地市場等で提供すると、どんな味わいになるでしょうか?

まだまだ勝手丼を味わいたいのをグッとこらえて和商市場を出、駅前から南に向かって続く北大通をこれも38年振りに歩きました。かつては駅前の金市舘デパート(現在のラルズの前身)や北大通中間の丸三鶴屋(東京の伊勢丹や三越と同系列)、そして後述する幣舞橋に近い地元資本の全国でも珍しい組合立のくしろデパート等が建ち並び、主に日曜日に母と一緒にデパートをはしごした思い出に事欠きませんが、今ではかねてから聞いていたように一部の不動産屋や携帯ショップや個人店、学習塾のほかはすっかりシャッター通りと化して寂しくなりました。北大通で当時からある店で今も健在なのは北海道銀行と北陸銀行、そして仏壇・仏具店の善光堂だけでした。

北大通をひたすら南に向かって歩き、明治時代から釧路の歴史を見守ってきた、幣舞橋を歩きました。橋は僕が釧路に住み始めたころは4代目で、ちょうど小学校1年秋のバス遠足で渡ったときは仮設の橋で取り壊しと架け替えが始まり、小学校2年の11月ごろに今の5代目になりました。
片側2体両側合わせて4体の女性の裸体のブロンズ像が立っていまして、4体それぞれが春夏秋冬の季節を表しています。橋の下には歩道と屈斜路湖を起点に釧路湿原を経て太平洋に注ぐ釧路川が流れています。
親同伴でも集団遠足でもなく自分の足で幣舞橋を堪能し、再び釧路駅に向かって歩きました。かつてのくしろデパート裏手から栄町を経て釧路駅に続く裏通りは飲み屋が軒を連ねる繁華街ですが、表通りの静けさとは裏腹に当時と変わらぬにぎわいが続いているのを証明するかのように、新しく開店した今風の居酒屋やバーが並んでいました。
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  1. 2015/07/09(木) 22:19:10|
  2. 鉄道
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コメント

様々な思いが蘇って、、、

 リオ様、北大通から幣舞橋までのウオーム、如何でしたか?
多くの思い出が溢れてきたのでは、、、
勝手丼は確かに平成になってからですね。青森にも同じような「のっけ丼」があります。
お袋も、今は郊外のスーパーや生鮮市場で新鮮で安い食材が買えるから、
和商市場にはなかなか来なくなりましたね。
  1. 2015/07/12(日) 21:03:31 |
  2. URL |
  3. hagejs #-
  4. [ 編集 ]

Re: 様々な思いが蘇って、、、

hagejs様、北大通から幣舞橋までのウォークは、いくら時間があっても足りないくらいでした。
もちろん多くの思い出が溢れてきました。
勝手丼はやはり平成になってからですか。青森の「のっけ丼」は初耳ですが一度堪能したいな。
故郷の北見には市制前の町名「野付牛」にちなんだ野付牛という牛肉があるのでそれで「のっけ丼」があると盛り上がったりして(笑)。
和商市場よりもご実家近くのスーパーや食料品店の方が安いそうですが、後で改めて書きますが和商市場は帯広等の市場よりも高く事情を知らない観光客以外の一般市民はあまり行かないしそれでなくても釧路駅前の店も帯広の店より高いから賑わわないと小学校時代の先生も話していました。
  1. 2015/07/12(日) 22:10:50 |
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